割に合わない仕事・合う仕事

  • 2015/02/13(金) 17:03:40

IMG_1190.jpg
昨年から何度もお越しいただき、その都度記事にさせていただいている初代ディアマンテ。
ATの変速がヘンだとのことですが

去年一部クラッチが滑っちゃって(ATにもクラッチ板というものがちゃんと入ってます)
リビルトミッション採用で直したばかりなのであせります。

保証付きではありますが「じゃあ代わりのミッション送りまーす」と簡単にはいかない。
なんも診ないで降ろして直らないと、そっからまた診断だわ下手すりゃミッション屋さんから請求来るわで最悪。

とりあえずATのコンピューターに残る記憶はこんなの。
判読すると、何個か入ってる油圧回路切り替え用の電磁石のひとつに不満があったようです。



IMG_1195.jpg
その回数が既定のポイント数に達すると、もう一つ出るようになっとります。



IMG_1194.jpg
運よくその故障が持続中にモニタリング画面を見ることが出来れば
このように「L」レンジつまり1速なのに2速の指示が出ているというおかしな現場に遭遇出来ます。

正確には、1速に切り替えるために必要な部品がダメだと分かったので
コンピューターがあえて「2速でとりあえず走んなさい」と緊急措置を発動したものです。

今では軽でもトラックでも当たり前の緊急措置制御ですが
このクルマの出た当時の20年ほど前から爆発的に採用されました。
お役所の方針と密接な関係がありますが
勝手にブレーキや自動で駐車ってのはどうも
近未来で宇宙船のコンピューターがいかれて軌道計算が出来なくなり
たった二けたの筆算結果を手動入力して事なきを得たという
のび太の武勇伝を思い起こさせます。



IMG_1200.jpg
そんな故障の記憶を消去して該当部品に至る回路を点検しているうちに、
そもそもの訴えであるAT不調は再現しなくなってしまいました。

そのかわり頻発するようになったのが画面撮ってませんが診断機の「通信エラー」。
発進して間もなく、かなりの確率で発生。
その条件かと思われるのは、車体にかかる振動やら「G」やらバッテリー電圧の上昇やらありますが
どうもこの「車速信号」の疑いが濃厚。



IMG_1197.jpg
ほぼ定速なのにこうなったり。



IMG_1196.jpg
こうなったり。



IMG_1199.jpg
ひどいときはこうだったり。



IMG_1201.jpg
その怪しい信号の出どころは、スピードメーター内の〇した部分なんですが
上のほうに繋がってる部品が並んでますがATコンピューターはもちろん、
まーそのバリエーションの豊富さ。

それがなにを意味するのかといえば、
車速信号そのものの異常が直接通信エラーを引き起こすとは思えませんが
(そんなもんでいちいち通信エラーしてたら診断出来ない)
通常0-5Vであるパルスの回路に例えばバッテリーの12Vがかかってしまったら話は別。

これだけ多くのコンピューターが共用しているだけに、
どれかが誤作動する、下手すりゃぶっ壊れちゃう恐れがあるわけです。
5Vに対して12Vって、12Vのクルマに24Vのトラックでジャンプするより比率としてはひどい。
実際には高速のパルスなんでたいした電気は流れないとしてもだ。



IMG_1203.jpg
同じ回路図、よく見ると左のほう、12V電源であるヒューズから一本繋がってる。
途中にダイオードって一通の関所があるけれど。

というわけで手っ取り早くその該当ヒューズを抜いてみたら。
バンバン出ていた「通信エラー」は皆無に。
当然戻しても見てみるとまたバンバン出る。



IMG_1202.jpg
だからってひとまずATの症状自体は収まってしまったので
決して安くないメーターやコンピューターにはすぐには手を出したりせず、
実はATの通常制御には一切必要ないその怪しい信号線を抜いちゃって
一旦乗ってもらうというスッキリしない措置を採用。

お預かり期間10日間、毎日ちょこちょこだけど延べ点検作業及び試走時間は12時間ってとこです。
写真は左から、作業・試走の記録(下書き)、そして清書(ディーラーへの相談用)、
そして数回に分けての相談のたびいただいた資料の山。
電話でのやりとりは延べ1時間近く。
それも相手は面識のある、ここらじゃ誰もが恐れをなすレベルの考察のプロ。
つまり見当違いによる回り道やムダな資料や世間話(笑)は一切なしでだ。

とても時間に見合わない点検料をいただきはしますが
完全解決してないし、過去の自分の作業に深く関わる症状だし。
作業過程で開発された脳内の未使用領域と多少のアハ体験、
また相談に乗ってくれたプロとのやりとりで構築される信頼関係(得するのは私だけですが)
そんなもろもろが財産として残るということも考慮すれば
「やってらんない」なんてことは決してないし
いずれは「割に合う仕事」にもつながると信じて働く私です。

こんな私で良ければまずはお電話から













スポンサーサイト