自動車整備はピンチと解決の繰り返し。

  • 2017/05/29(月) 10:55:44

自動車整備じゃなくてもそうですが。
もっといえば人生全般においてそうですが。
ただ、歳を重ねるにつれ確実に、かつてピンチと感じたような不都合をそれほどヤバく感じなくなる。
子供のころなんかと比べるとその差は笑っちゃうほどだ。

どうにかして、そんなふうに人は自然にバージョンアップしてくもんだと伝えられないかねとニュースを見るたび思うんだけど
思い起こせば子供のころは、大人が昔は子供だったなんてウソとまでは思わないにしても
ほぼ江戸時代とかの史実みたいにまるで身近じゃない話だし一日という時間も長かった。
かわいい事件が自分を世界で一番不幸だと勘違いさせたし
逆に誰かが渦中の人になるとそれが自分じゃないということがなんかうれしかった。
正に、人の不幸は蜜の味。

子供社会で起こる信じがたい集団行動は結局それが根底にあると思うし
「寄らば大樹の陰」というのも加わってたちが悪くなる。
前のほうは正直今も自分にあるけど後のは意識としては昔から嫌い。
国の行く末を議論する場においても大人が似たようなことをやってるのをみると
どうしても人間の思考から外しようのない性なんだろうな。

だいぶ前のドラマで草彅くん扮する先生が「孤独になる勇気を」って。
全部観てないけど、正しいことを言って集団の中で孤立するのを恐れるな、自分を殺して飲み込まれるなというような意味で
モンスターペアレントという言葉が出るか出ないかの時代背景もあって
すでにいい大人だった自分はドラマそのものよりも企画してGOサインを出した偉い人たちをカッコイイと思ったもんです。
広い意味でそういう仕事ができる大人でありたい。



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4輪アライメントに出して限度内だってんだけどどう見ても足の向きが変だから診てくれと。
上のはまともな中古。




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どうしてこうなっちゃったんだか理解不能。
自分はアルミ合金をくっつける設備も経験もないけどそれにしても。
かろうじて限度内におさまったという調整結果のリポートから読み取れるのはその数字よりも何とも言えぬ悲哀。




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煙を吐くミラはやっとピストンがついてその後エンジンがかかりました。
オイル消費による煙の場合、いわゆるオイル上がり/下がりのどっちかあるいは両方がありますが
判別方法として習った「吹かして出るのは上がり/戻して出るのは下がり」というのは
ウソじゃありませんが不親切です。どっちでも吹かしたら出ますんで。


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ピストンリング回りが原因の「上がり」と思われたので添加剤での改善も期待出来ましたが
そんなに待てないとわがままを言うので替えました。
ヘッド側もやれと貪欲なのでバルブのシールも替えました。
残念ながらピストンはもう買えませんでしたが。



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ピストンリングってのはピストンひとつにいっぱい付いてます。
トップ・セカンド・サード(=オイルリング)とありますが
写真は分割式サードリングの構成内容。
上の二個に比べてヘナヘナに薄くて柔らかく張りも弱いので汚れてピストンの溝でおとなしくなっちゃいます。
3気筒中二つは完全にねっぱっちゃってさぼってました。
が、エンジン運転に大事なのはトップ・セカンドの二個なので現車も普通に始動して普通に走れてました。
ちなみに、そうなってるであろうと見受けられるクルマ、けっこう走ってます。
車検の受験にも来てて検査場を煙らせてますがある程度までは普通に合格しちゃってます。
車検通ったから大丈夫ではないというほんの一例です。



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ついでにやった予防措置やらなんやらはもう書くのも面倒な数ですが







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してやったりだったのはコレ。サーモスタット。
独特の構造がどんな仕事をしてるのかわかりませんが
暖機が速まるかヒーターがあったかくなるか厳寒期のATのショックが軽くなるか
なんか変わるでしょう。



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日が出ると人をたたき起こしてまたグーグーグー



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VIP待遇でご出勤



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ご近所さんの出勤状況を監視(?)
轢かれたり消えたりすんなよなー



























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整備工場の表と裏。

  • 2015/04/19(日) 08:36:37

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なんてことない、整備工場の日常の風景。
〇したところのゴムブッシュと、そのとなりのボールジョイントガタのため
ロアアームという部品丸ごと交換という珍しくもない作業。
鼻歌交じりの、もう終わりかけの写真。

若干気にかかるのは
後方に写ってる酸素/アセチレンの容器。


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まあこういうことですわ。
どういうことかってーと。



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ボルトとカラーって筒ががっちり固着してたから。
赤で表現してるのはかつてそこにあったゴムブッシュ。


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半分はアームの輪っか部を切るときに炎を上げて燃えましたが
付近には可燃素材がいっぱいなので養生はするにしても
地味なこそぎ落としも必要。



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こうなればもう炙るなりなんなりどうにでもして安心。

ゆるみ止め剤を塗って組んだって
締めたときの数割増しのトルクでゆるむんだから
ゆるむまでこめかみに血管を浮かせてはいけません。
ちなみにここ、折っちゃうと相手ナットはフレーム内部に溶接なんで
真っ当な対処法は車体交換です。
かつて折ったことがありますが修正に1年分の集中力を使い切りました。
それ以来ボクなんかゆるめるときこそトルクレンチですよ。

ウソですが。



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スタビライザーと呼ばれてはいるものの
どちらかってーとテンションロッドとしての役割のほうが重要なコレ。
他メーカーの一般的な車種ではスタビがもげても走れますが
このスズキの仲間たちは多分タイヤがフェンダー内で暴れて走れません。



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なのでその動きを制限するこんなゴムはけっこう大役。
ヘタった分増し締めでしのぐなんてのは構造上不可能。
もっとも¥500x4プラス工賃くらいのもんですが。
サイドスリップってタイヤの向きを調整する必要があるかもしれないので
元々その工程が含まれてる車検のときがリーズナブル。



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走ってるうちにストップランプとウインカーがうしろかたっぽだけ点かなくなっちゃう旧車。
今はこういうの無いですがヒューズはなるほどのダブルネーム。



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全ての電源はアースに通ず。
ってわけでランプ本体とソケットの爪との接触具合にゆだねられる、
ほのぼのとした時代を考察するとアース不良を疑うのは健全な流れ。



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でもどうもそこじゃなく、一見樹脂製で実はダイキャストのランプボデー、
そいつの車体にねじで通じてる風なアース具合にも注目。



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他の比較的大丈夫そうなボデーの一部との電位差は0.8Vと多目。
電位差が表れるということはその間に抵抗があるということ。
この場合ランプボデーと車体の接触抵抗と思われますが
まず抵抗ってやつは熱を持ちます。バルブやモーターも抵抗ですが同じく。
同じ抵抗でもただでさえ温度上昇とともにその値が増加します。
接触抵抗なら接触度合そのものが変形によって悪化する可能性もある。

てなわけでランプボデー~車体を線でがっちり結んで良好、ホッとして写真なし。



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奥まで差しちゃうと回らないキー。
ほんの1mm浮かせれば回るんだけど面倒なのでおまけ。


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お客さん調達のマフラーが微妙に短くて届かず、一部延長のCBR。
あんまりきれいにいかなかったけど組んだら何も見えなくなるから。
大変だったのはカウル類のビスの多さと種類、そして養生。
試運転する気満々だったのにメットを家に忘れてきて残念。


っちゅう感じで見えるとこは一応アピールしますが
終わったら見えないとこは説得力がないのであえて口にせず
のちに記事ネタリスト入りしていることをご了承願います。























OEMって素敵。

  • 2015/01/12(月) 17:10:07

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あれは昨年末30日・・・
クラッチペダルがスカスカに踏みごたえがなくなりクラッチも切れないという
スズキKEIワークスというめったに見ないクルマが緊急入庫。
オーナーは過去に別のクルマを入れてくれたことがあったので
なけなしの(笑)代車をお出ししました。
部品入荷は早くても一週間後と分かっていたので通常は出しません。
こんな小さな工場にリピートしてくれたんだから
なにかしらメリットがなきゃいけないと思うので。

普通にクラッチワイヤーが切れていましたが


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年が明けてワイヤーを交換後もなんだか重たいのでご本人に訊いたところ
最近重たいと感じてたとのことなのでいきなりクラッチO/Hに。
一番良くなかったのは、ワイヤーで動かすレバーのシャフトの半固着。
磨いて給油して良くなったものの、




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緊急事態発生。
入庫時に分かってたので手配済だったサイドシールが違うじゃない。
さすがに外してから気づくほどのアホではありませんが
なにせ作業開始が昨日の日曜日。
文句も言えないしとり直しも出来ないじゃない。
メーカーの部品センターは休みだし万事休す。
オーナーに説明したらがっかりのご様子が濃厚だったので、



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すぐそこのマツダにすがろうと電話。「すみません部品のことで。」
出たのはおねえさん。「お車はなんですか?」
ナニ!?ここでそれ訊くのか!?「えーとあのラ、ラピタです」(絶対怪しい印象)
替わったフロントの方は親切に調べてくださいました。
拒否られてもお門違いのお願いなので文句は言えません。
実はかつて勤めていた会社ではありますが合併とかでもう別物だし
まして誰もが素性を知ってるわけじゃないし。
マツダ部品がやってたのと出た人の器がデカかったWラッキー。



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こだわり派のオーナーも納得のWネーム。(重ね貼り)
OEMって素敵なシステム。



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宿題の白いモビルスーツはエンジン始動、実戦投入せよとの指令。
前に診た工場では無理とのことでしたが多分嫌だったんでしょう。
とりあえずダラダラの絶賛オーバーフロー中ですが



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幸い昭和の限られた年代にしかいないニュータイプなんで
私設タンクの点滴の高さを調節してフロートレベルを合わせてみました。
キャブ時代を知ってるひとなら知っている。
ガス欠してもすぐなら、とりあえずエンジン始動して10Mくらいは走れる。



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となりで手伝ってる量産型。



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「コイツ、動くぞ!?」



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喜んだのもつかの間。
実はウオーターポンプがロックしててベルトが飛びました(爆)



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また他に使いようのない治具が増えてゆく・・orz



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切れないクラッチ、マスターシリンダーにはブレーキ油を入れるべきですね。



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間違ってる粉を出してみましたが
エア抜きさえ出来ません。
実戦投入はまだ先になりそうだ。
ブライトさんにぶたれちゃうよ~・・・



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わたくしイチおしの冬のマストアイテム。
もう普通のスノーブラシには戻れない。
夏場はあんなにボデーのキズを気にしてるのに冬は無茶しちゃうアナタに。
塩竈から飛んできた箱に入ってこっそり販売中。


セカンドオピニオン

  • 2014/11/06(木) 09:45:31

「セカンドオピニオン」
医療の分野で使われる用語を、他の分野でも流用するようになったわけですが
一発目(ファースト)のお医者さんの診断結果や治療方針に納得出来ない場合、
別なお医者さん(セカンド)の見解も聞いてみるという大筋では同じですが
自動車修理においては大きくその意味合いが変わる場合があります。

①病院では血液や尿、レントゲンといった基本的な検査結果を信頼し
 二番目以降もその提供を受けて考察するのに対し 
 
 整備工場ではそれはあまりしません。業界的にそういう体制がないし
 やり方や諸条件によって検査結果自体が大幅に変わる恐れもあるから。
 そもそも、一切の検査なしで絶妙な空気感で診断を下してる場合もあるし(笑)

②病院にだって経営上、保身上の都合があるでしょうけど
 基本的には患者さんを良くするという方針はみな同じでしょう。

 自動車の場合は言ってみれば取り換えのきく道具ですから
 耐久性と経済的事情を天秤にかければ、必ずしも直すのがベストとは限りません。
 直さない可能性があるのなら、時間(診断料)をかけるのはもったいない。
 販売もするお店だとお客さんの意思そっちのけで診断結果に商売上の事情が加えられたりして。
 最後のはあくまで想像ですが。



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そんな想像が現実味を帯びてしまう事例。
修理代うん十万、買い替えを勧められたけどどーなのよと。

この穴にドライブシャフトが刺さる、つまりはオイルシールもはまるわけですがオイル漏れ。
なんか傷だらけなのはまあ支障が出るほどではないとして、
わかりづらいですが穴の下部がつぶれていてまん丸じゃないので、オイルシールがちゃんと入れられません。



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むりくり入ってたオイルシール。
リップ部を引っ張ったら力なく抜けてきたので
私が変形させたわけじゃありません。



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ずいぶんご苦労なすってはめ込んだようで。



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このケースはもう使えないけれど
奥に入ってるベアリングは使いたいなーとプレスで抜いたら
変形してた部分がベアリングでこすられて光ってます。
千なんぼだとわかったんで替えますが。



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そして割れました。



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なぜファーストオピニオンに否定的なのかというと。
そもそもの発端は、オイル漏れで修理に出したらこのケースの合わせ目からだってんで
それが済んで僅かひと月後に再発、それが今回。

つぶれている部位は車載だとエンジンのほうを向いており
走行中に直接何かに当たることはまずない。
もっとも、そのさらに下にエキパイが通ってるし。

要は、このトランスファーという部品をミッションから外すときあるいは移動中
床に落とした可能性が高いんですね。
お客さんの記憶が確かなら、新車で買ってそこにしか修理させてない。大事故もない。

あっさり言えば、
自分で壊しといてその修理代高いから乗り換えろと。

正直、壊したのを自腹で黙って替えることはないこともないけれど
このレベルで単に黙ってるだけってのも潔すぎるっていうか
フロントマンも知っていたらそりゃもうひどい工場ですが
知らずともそれまでの経緯を見れば、現場の報告を鵜呑みってのもそれはそれでアレ。





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その何割かを占めるのはマフラー交換でもありますが
ダメなのはハンガーの金具だけなのでそこはほれ修理大好き。




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もう上からどうこうって状態じゃないので
クルマにつけたら新しくステーをつければいいっしょ。



修理におけるセカンドオピニオンは複数見積とは違います。
診断によって作業内容まで変わったりその出来栄えはさまざま。
家電なんかのように、同じメーカーの同じ機種という品物はふたつとないのです。
もちろん、当店がファーストだった場合も
納得度合によっては遠慮なくセカンドへ進むことをお勧めします。
自分でそう言うからには、戻ってこられても冷たくしたりしませんし。






 
 
  

 
 

Dreams Come True

  • 2014/10/03(金) 18:42:50

Dreams Come True
ドリカムの話じゃなく
要は信ずる者は救われるみたいなことでしょう。
あきらめるなってことでしょう。
松下幸之助のドラマで見たんですが
ある程度会社が大きくなったとき「どうすればそんなに成功出来るの」の問いに
「成功するまで止めないことです」って。
正直に、成功したら言いたい放題だなって思いました。

でもまあ、そういう意味の成功じゃなくても
日々、仕事の部分部分でのそれとか
家庭でも料理の味のそれとかの繰り返しじゃないですか。



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社外部品満載のすばる。
ごくたまに警告灯が点灯、それとは同時にじゃなくエンストもあるそうです。
最初っから心が折れそうな予感です。
でも、オレはやれば出来るんだ。Yes We Can! と自己暗示。



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ガーン。一番やっかいななんでもありのコードだぜ。
ちなみに最初の警告時には別の工場で燃料系と判断、燃料ポンプを替えたそうです。
なんと愚かな。おろか。ぶ。



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まずはここらへんから。
これだとギリ車検合格ですが



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見てると、ここまで上がってさっきのとこまで下がる、その繰り返し。
これじゃもう車検も不合格です。
ちなみに車検とったばっかりだそうです・・・OTZ




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「リーン」てのはリッチの逆でして
空気と燃料の割合についての話を言っております。
要は燃料が足りないと。
逆に言えば空気が多すぎるぞと。
前の工場は前者のみ眼中においてことを進めたんでしょうが
100%あてずっぽうでしょう。

次はなんもバラさずに診られる、エア吸いの有無からスタート。



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反応がさっぱりなのでプラグやコイルを見たついでに圧縮まで見ましたが。
これといってダメそうな要素も見当たらず。
だいたいここら辺で嫌になってきて社外部品のせいにしたくなってくるわけです。
あるいはコンピューターかー?とかね(汗)



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ひとまずワイヤーパンパンでストッパー寸止めみたいなスロットルを調整したり。



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で、空ぶかししてたらチョイ踏みでエンストするようになってきたので
急に元気になって疑ったのはエアフローセンサー。

あれ?



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ああ、ボクがつけました。
棚にあったのが同じかたちだったんで。
あはは。
メーカーのオーダーで端子配列を変えるなんてムダはしないだろうと。
もしくはこの時代すでにトヨタとは共有体制でコストダウンを図っていたとか。



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てなわけでエンストも警告もなくなってコンピューターにもバレてないし。
なぜバンク1だけのリーンなのかは理解に苦しむところではありますが。
さらに、使った中古は多分ダメで替えたもののはずなのでこれで納車は無理ですが。

まあこんな風にいろいろ試しながら最終的に結果を出すわけです。



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おかげさまでついに大好きな歌う職人、生きてるsalyuの札幌ライブに行けました。
仕事帰りだったので3人のスタッフも持ち物検査を通過して参加。
一人じゃなんなんで二人で行きましたが
明らかに熱心なおひとり様が多いのに驚きました。